Kanaeh2005-12-18

トントンが一方的に憎しみを抱いていた存在−−御用聞きにきてくれる魚屋さんは昨年脳溢血で倒れて廃業し、外飼いのスピッツっぽいミックスのSちゃんはこの春に他界してしまった。
魚屋さんがわが家の呼び鈴を鳴らすとき、Sちゃんの家の前を通り過ぎるときのトントンの態度は、飼い主としてあまりにも申し訳なく、穴があったら入りたいほど恥ずかしいものだった(あまり思い出したくない)。
で、彼らが去っていった現在、トントンはすべてのものに心を許して生活しているかというと決してそうではなく、例えばインクジェットプリンターのような無害なものを心の底から敵対視している。
印刷中の音のみならず、用紙をセットするときに出るガシャンという音だけで、指名手配の犯人を発見した警察犬のようにわうわう吠えまくる(うそ、そんな賢そうなところはみじんもない。プリンターの音と吠え声でまじでうるさい)。
ついついダメ飼い主にありがちな状態−−「あ〜、もううるさいからさっさと作業をすましちまおう」という心理に陥るのだが、というかいつもそうしてきたのだが、今日は心の底から怒ってみた。疲れた。でも、嬉しいことに、少し吠えるのを我慢しているような気がする。がんばらなきゃだめかしらん。

今日最終日の展覧会をふたつ観てきた。
神奈川県立近代美術館葉山の西雅秋。携帯電話に、来場者が電話をかけるというインスタレーションがあったのだが、作品の展示場所がそもそも携帯のアンテナが微妙な立地であるため、電話してもかからない、というのがちょい切なかった。たくさんの使い古しの犬小屋を集合させた作品が妙に生々しい。
横浜トリエンナーレ
海から吹き付ける風が寒すぎてあまりちゃんと観ていない。知らないものと知り合うには時間が必要なのに、寒すぎてあまり誠実に観なかった。でも、中の人はぜひがんばって次回も開催してほしいと思う。